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Prefectural government report
[県政報告書] 発行日/令和6年3月
2024年2月20日本会議での代表質問を要約しました。
今後、県内市町村や
民間事業者の理解や協力が必要
①パートナーシップ宣誓制度について
〈長池質問〉
性的マイノリティー、LGBTQの方の人権を守るため、この4月より開始される徳島県のパートナーシップ宣誓制度に質問いたします。
徳島県内でも先駆けて徳島市が導入をし、それに続くように市町村で制度が開始され、現在9の自治体ですでに制度が運用されております。
さて、県におけるパートナーシップ宣誓制度は、県立病院での患者の身内としての証明や、県営住宅の同居など、県の管轄する公営機関においてのみが対象となりますが、市町村の機関や民間病院、民間の住宅などでの広がりはこれからです。
「パートナーシップ宣誓制度」が広く社会に受け入れられるには、県民の理解増進はもちろんのこと、県内市町村や民間事業者の理解や協力が必要であります。
その点について県は、今後どのように取り組んでいくのか、ご所見を伺います。
〈答弁〉
パートナーシップ宣誓制度」については、11月議会において、「制度実施要綱(案)」をお示しし、来年度当初からの導入に向け、現在、利用できる「行政サービス」の検討・調整などの準備を進めております。
また、県内市町村に対し、県の「制度内容」や「活用方法」について説明を行い、現段階では、「パートナーシップ宣誓制度」を導入していない市町村も含め、県が交付する「証明書」等の提示によって、提供可能となる市町村の「行政サービス」について、検討していただいているところです。
さらに、民間事業者からもサービスの提供について協力が得られるよう、県SNSや県ホームページでの広報など、積極的な周知広報を行い、提供可能となったサービスについては随時、県ホームページに掲載することとしております。
また、新年度においては、「当事者と支援者との交流会」「ピアカウンセリング」の実施など、「性的マイノリティ」の方が「安心して生活できるとくしまづくり」に向けた取組をさらに進めて参ります。(志田副知事)
〈長池感想〉
あらためて申しますが、このような動きは決して社会から、性の垣根を取っ払おうという訳ではありません。元来、性は多様性であるにもかかわらず、少数であるが故に偏見や差別を感じ、不安や孤独を抱えて暮らしている方々がいます。若者の中には、そんな社会に将来の希望が見いだせず、自らの命を絶つという事例がここ徳島でもあるんです。絶対にそんなことがあってはいけません。
先日、徳島市のパートナーシップ制度第1号カップルのお二人が結婚式を挙げられました。県内でのパートナーシップ制度導入に尽力された「レインボー徳島」の代表でもある長坂さんとパートナーの方です。披露宴の冒頭、スクリーンには次の二つの言葉が映し出されました。「結婚てなんだろう・・・」「家族ってなんだろう・・・」 長坂さんからの問いかけであります。
結婚しない、もしくはできない生涯未婚者が増えています。また一方で、DVや育児放棄など家族内での事件も後を絶ちません。
そんな時代だからこそ、互いを信じ、助け合い励まし合い愛し合う二人であれば、同性同士であれ、家族として暮らしていくことを応援すべきだと思います。
私は全てのマイノリティに対し、寛容性のある優しい社会になることが、誰もが幸せになれる社会だと信じています。
ゴミの回収には、
ボランティア活動が重要
②海洋プラスチックごみについて
〈長池質問〉
海洋プラスチックごみは半永久的に分解されないため、2050年には魚の量を上回ると推計されており、既に海洋生態系への悪影響が報告されている上、細かく砕かれ微細となった「マイクロプラスチック」は、食物連鎖を通じて人体に影響を及ぼす事が懸念されております。
海洋プラスチックごみへの対策は、大きく二つ考えられます。一つは実際に漂着しているプラスチックごみの回収作業であり、もう一つは、そもそもこのような海洋プラスチックごみの発生を抑制するための取組みであります。
そこでお伺いいたします。海洋プラスチックごみ対策を推進するため、県がより一層、リーダーシップを発揮すべきと考えるが、御所見をお伺いいたします。
〈答弁〉
海洋プラスチックごみ対策の推進についてのご質問でございますが、一つ目の「回収作業」の推進に向けては、従来、大量にごみを回収した場合や、ごみに「大型の処理困難物」が混在する場合などは、ボランティア団体、市町村ともに、その処理に苦慮するケースがあったことから、今年度、県が関係者間の「話し合いの場」を設定し、費用負担や、回収・運搬方法などについて協議した結果、解決策を見出すことが出来た「事例」も生じており、まずは、このような「好事例」を横展開して参ります。
また、この度、クレーンやトラックなどの機材を有する「県・産業資源・循環協会」から、新たに、海岸に放置された「大型ごみ」の撤去作業に協力したいとのお話を頂いたことから、県として、ボランティア団体や市町村との効果的な「つなぎ役」を果たして参ります。
さらに、ボランティア同士の連携を強化し、互いに高め合う「新たな機会」として、ボランティアのリーダー役である「県・海岸漂着物対策・活動推進員」を中心とした、「未来志向の議論の場」を設けて参ります。
次に、二つ目の「発生抑制」の推進に向けては、昨年10月、本県を含む「瀬戸内海関係14府県」で構成する「瀬戸内海・プラごみ対策・ネットワーク」が発足し、瀬戸内海エリア全体における「広域的な発生抑制」を目指す「大きな枠組み」がスタートしたところです。
そこで、このネットワークを活用し、県内のボランティアから頂いたご提言や現場の声を「広域的な発生抑制対策」に反映させるとともに、これにより、ボランティア同士の「広域的な連携」が生まれるといった「好循環」へと繋げて参ります。(平井 危機管理環境部長)
〈長池感想〉
ご答弁を頂きました。ゴミの回収作業においては、今後もボランティア活動が重要な役割を果たしていくことになると思われます。
人々の善意が原動力ですが、そんな気持ちを無にするような壁が行政サイドにあるのなら、すぐにでも取っ払って頂きたいですし、逆にサポートする手立てを推進していくべきです。市民・県民の善意が大きく広がるよう、今後の県のリーダーシップを期待したいと思います。
公営住宅の空き部屋や、
公営施設の空きスペースを
積極的に開放するべき
③子ども食堂について
〈長池質問〉
子どもの居場所づくりへの関心が高まりやコロナの5類感染症への移行を背景に、全国の子ども食堂の数が「9,131カ所」と、前年と比べ、1,768カ所の増加と、過去最大の増加数となりました。
本県においても、3年前には30カ所ほどであった子ども食堂が、今や130カ所を超えるまでに増えたことは、子ども食堂を応援してきた私も、大変感慨深い思いがあります。
このような中、直近の子ども食堂の増加状況は急激で、約7割が開設してから2年以内の子ども食堂となっており、それぞれに苦労や悩みがあるように聞いています。
例えば、子ども食堂の運営者の方からは、たくさんの人が来てくれるようになって良かったが、ひとり親家庭を始めとした困難な家庭に対して食事の提供にとどまらず、もっと積極的な支援活動を行えないだろうかと言った声が聞かれます。また、ひとり親家庭など保護者からは、「生活が大変なので、子ども食堂での食事や食品・日用品の提供はありがたい」との感謝の声がある一方で、「子どもの勉強を見てもらえたらありがたい」であるとか、「子どもに自然体験や音楽活動など、さまざまな体験に触れる機会が増えて欲しい」と言った、願いの声も聞かれます。
このように、子ども食堂は、日々子どもたちやその保護者に接する中で、ニーズをくみ取り応えようとしており、県としてもその取組みに対して支援を重点化していくことが求められています。
そこでお伺いいたします。子ども食堂について、困難な状況にあるこどもたちや保護者と繋がる運営者に対し、手厚い支援を行うべきと考えるが、御所見をお伺いいたします。
〈答弁〉
〝こどもまんなか社会〟実現に向けては、ライフステージに応じた切れ目ない支援策を展開するため、今定例会に「令和6年度・当初予算」として、「前年度比、15億円の増」の171億円となる「こども・子育て関連予算」を提案しております。
本県のこども食堂の設置箇所数は、現時点で、計133カ所と急増しているところであり、民間団体が発表した直近の調査結果では、人口10万人あたりの箇所数は、全国2位、昨年度比の増加率は、全国3位となるなど、「大きな広がり」を見せております。
これまで、本県においては、「こども食堂」に対し、「県・社会福祉協議会やNPO法人」等との連携により、「相談窓口の設置」「人材の育成」「食料品の提供」、民間事業者から「物資の提供や運搬」をいただく「生活支援ネットワーク」を構築し、「支援の輪づくり」にも取り組んでいるところです。
さらに、こどもの健やかな成長を促す「学び・遊び」の提供、運営者の連携による「食材の調達」や「持ち回り開催」、規制緩和の仕組みを活用して、市町村営住宅等の「空き室」における出張型の「こども食堂」の開催支援など、「民間主導の自主性」を尊重した活動を積極的に支援したいと考えております。
また、「こども食堂」において、運営者の皆様をしっかりとサポートするため、
・生活困窮のご家庭へ食事を届ける「宅食」活動
・不登校対策として「学習や居場所」の支援
・産前産後のご家庭向けの「赤ちゃん食堂」の開催などの活動経費を「優先的に助成」することで、きめ細かな支援の充実を図って参ります。(後藤田 知事)
〈長池感想〉
県では子ども食堂をはじめとした「子どもの居場所」を2028年、これからの5年間で180カ所の設置を目標にしておりますが、子ども食堂の開設で大きな課題となっているのは、場所の問題であります。これまでも子ども食堂をやりたいが、場所に困っているとの声が聞かれます。また食材や資機材の保管場所にも困っているそうです。県営住宅の空き部屋を貸してもらえないかと、窓口に相談しても、公営住宅の規定に阻まれ、門前払いだそうです。
子ども食堂は子どものための場所でありますが、地域コミュニティ再生の場所でもあります。そんな社会活動の拠点として、公営住宅の空き部屋や、公営施設の空きスペースを積極的に開放していけるよう、ご検討いただきたいと思います。
コロナ禍による子どもたちの
体験活動の機会の喪失に危機感
④子どもの体験活動について
〈長池質問〉
文科省の発表では「自然体験を多く行った者ほど、自己肯定感、自立性、協調性、積極性などの非認知能力が高くなるという傾向が見られる」とのことであり、その重要性は広く認識されております。一方でこの3年間、コロナ禍による子どもたちの体験活動の機会の喪失に危機感を感じております。また、教育現場のデジタル化が一気に進んでおり、その分、リアルな体験活動から遠ざかっているのではないかと危惧しております。
そこでお伺いいたします。県教育委員会として、来年度、子どもの体験活動を推進していくために、どのように取り組んでいくのか、お聞かせ下さい。
〈答弁〉
子どもの頃の様々な体験活動は、「豊かな人間性」や「自ら考え行動する力」を育むとともに、人生の基盤となる大変重要なものと認識しております。このため「子どもの体験活動の推進」について、昨年6月、「徳島から体験の風をおこそう」運動・推進実行委員会を立ち上げ、地域との連携・強化を図ったところです。
そこで、県教育委員会では、活動プログラムを、企画・実施するための知識やスキルを持つ「体験活動サポーター」の養成講座を開設いたします。
「体験活動サポーター」は、「放課後子供教室」や「放課後児童クラブ」など、子ども達の身近な「居場所」における取り入れやすい活動の展開や学習の支援「子ども会等の行事」や「地域イベント」の企画・運営などを行い、子ども達の豊かな体験機会を創出して参ります。
加えて、「県立牟岐少年自然の家」を活用し、県南の豊かな自然の中での野外活動のほか、読書とキャンプを融合させた「ブックキャンプ・地元漁師の方から学ぶSDGs学習などをはじめとする「新たな活動メニュー」を提供し、魅力ある体験学習を推進して参ります。(榊 教育長)
〈長池感想〉
全ての子どもたちが様々な体験にチャレンジできるよう、周りにいる大人が「意図的」「計画的」にその機会や場を設けるようにしなくてはならない時代となっているという事であります。
ここで一つ要望がございます。ご答弁の中にあった少年自然の家でありますが、民間事業者が管理運営をしております。いわゆる指定管理者でありますが、青少年センターとかもそうです。
そんな県立のこども施設で働く現場のスタッフは、若い方が多く、こどもたちのために一生懸命努力をしてくれています。是非、給料を上げてあげてください。
最近の物価高騰や賃金アップの動きに対し、県の指定管理料は一向に反応していないようでして、運営者側も非常に苦しいようです。官製ワーキングプアを作ってはなりません。こどもと直接ふれあう現場スタッフが、生き生きと仕事に専念できるよう、よろしくお願いいたします。
子どもたちを取り巻く困難に
全庁挙げて取り組むべき
⑤子ども未来部の創設について
〈長池質問〉
子どもや青少年の課題は、複雑で多様化しており、それぞれ個々の課題は専門部局に分かれておりました。
そして縦割り行政の弊害で、たとえば貧困と虐待そして引きこもりと言った複合的なケースに対しての対応が明瞭でありませんでした。新しくできる部はそんな現代の青少年を取り巻く環境改善の司令塔のような存在であってほしいわけでして、是非ともそれに見合った、予算と人員と権限を配分していただきたいと考えております。
そこでお伺いいたします。本年4月の「子ども未来部」創設を契機として、こども政策について更に一体的な充実、強化を図っていくべきと考えるが、ご所見をお伺いいたします。
〈答弁〉
昨年6月、国における「こども家庭庁」のカウンターパートとして、未来創生文化部に「こども未来局」を設置するとともに、横串の「政策形成拠点」である「こども・子育て推進プラットフォーム」の活用により、全庁的な連携体制についても強化を図って参りました。
本年4月、「こども施策」に特化した「単独設置の部」が必要であり、「こども未来部」を創設いたします。
そこで、こども施策全般に係る「人員体制」を増員するとともに、南部、西部総合県民局に設置している「こども・女性相談センター」について「こども未来部」へと集約化し、「指揮命令系統」の一元化を行うなど、より一体的な「事業推進体制」「相談支援体制」の強化を図って参ります。
本県においても、今定例会に提案の「令和6年度・当初予算」に、「こども・子育て関連予算」として「前年度比9.8%増」となる171億円を盛り込み、不妊治療に係る新たな「助成制度」の創設・こどもの「医療費助成対象」18歳までの拡充と「入院医療費」の完全無償化、この度の国の法改正に先行した「ヤングケアラー支援」の体制強化など、ライフステージに応じた「切れ目ない支援施策」を展開し、本県のこども施策を牽引して参ります。(後藤田 知事)
〈長池感想〉
昨年10月に公表されました令和5年版自殺対策白書では、小中高生の自殺者数が514人で過去最多だったようです。自殺された本人はもとより、家族や友人の事を考えると、本当に悲しい悲劇でしかありません。絶対にあってはならない事です。ですが、それが常態化しつつあるのが今の日本社会です。こどもたちを取り巻く困難な課題解決に向けて、全庁挙げて取り組むべきですし、その先頭に立つのが、このたびの「子ども未来部」だと思いますので、しっかりと体制を整えて、スタートして頂きたいと願っています。
木造住宅の耐震化を進めるために、
先ずは耐震診断
⑥防災対策〈木造住宅の耐震化〉
〈長池質問〉
新年早々の1月1日に発災した能登半島地震では250名を超える方がお亡くなりになり、多くの方が今も厳しい避難所生活をされております。心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。
能登半島地震を受けた今、これまでとは異次元の防災対策が急務と感じておりまして、今回は3つの防災対策について質問したいと思います。
先ずは「木造住宅の耐震化」です。能登半島地震での死因の多くが建物の倒壊による圧死であります。古い木造家屋がことごとく倒壊している映像をみると、徳島県でも今、南海トラフ巨大地震が発災すれば、多くの家屋の倒壊が発生し、犠牲者を出してしまうことが予想されます。
県はこれまで住宅の耐震診断や耐震補強に補助金を出し、耐震化を促してまいりましたが、なかなか耐震化が進んでいないのが現状です。
そこでお伺いいたします。木造住宅の耐震化を進めるために、先ずは広く耐震診断を受けてもらう必要があると考えますが、具体策をお聞かせ下さい。
〈答弁〉
議員お話の「耐震診断」については、平成16年度に、自己負担額3千円で受けられるよう、市町村と連携して、県民を支援する制度として創設し、これまで、全県下で「対象となる住宅の所有者」に対する「戸別訪問の実施」などにより、倒壊の危険性が高い「旧耐震の木造住宅」の約4割となる2万棟以上の「耐震診断」を支援して参りました。
そこで、耐震診断・耐震改修の重要性について、情報発信・パンフレットの設置・去る2月18日には、阿南市で開催された防災イベントにおいて、耐震化に関する「相談会」を開催など、多様な手法を用いて取り組みを強化しております。
加えて、「古い木造住宅が多い地域」や「津波被害の想定される沿岸地域」などを重点的に、市町村や自主防災組織など、地元団体と連携して「戸別訪問」を実施し、県内各所において、耐震補強の有効性を実感できるよう「動画や模型を活用」した「耐震セミナー」を開催して参ります。(松野 県土整備部長)
〈長池感想〉
先ずは「木造住宅の耐震診断」ですが、いろんな媒体で周知していく。さらに戸別訪問もしていくとのことです。是非、県内の建物の全戸診断を目標に進めてもらいたいと思います。次のステップの耐震改修に導くことが目的ではありますが、耐震診断のデータを蓄積し地図上に落とし込むことで、危険度の高い地域の可視化や対策強化地区の選定も可能になります。
これまでのような、窓口対応ではなく、地域防災力の調査という視点で戸別訪問による耐震診断を進めていただきたいと思います。
緊急時における重要道路は
無電柱化を進めるべき
⑥防災対策〈道路の無電柱化〉
〈長池質問〉
次に「道路の無電柱化」であります。今回の地震では多くの電柱が倒れて道を塞ぎ、避難や救急の妨げとなっているようであります。
以前より電線を地中に埋設し、電柱を取り除く無電柱化が議論されておりますが、その工事費用が莫大である事から、なかなか進んでおりません。しかし、緊急時における重要道路においては無電柱化を進めるべきだと思います。
そこでお伺いいたします。大規模災害に備え、道路の無電柱化に今後どのように取り組むのか、県の考えをお聞かせ下さい。
〈答弁〉
これまで、県内においては、平成7年制定の「電線共同溝の整備等に関する特別措置法」等に基づき、「道路の掘り返し防止」や「道路景観の整備」の観点から、県管理道路の約12キロメートルを含む、約34キロメートルの「無電柱化が完了」しております。
一方、平成28年に東日本大震災などを契機として「無電柱化の推進に関する法律」が制定され、現在、法に基づく「無電柱化・推進計画」を
策定し国や県、市町村、電線管理者が連携のもと、・国道28号「鳴門市撫養町~大津町」・国道55号「小松島市中郷町~小松島町」なかのごうちよう・県道徳島環状線「徳島市福島2丁目~安宅2丁目」など「市街地の緊急輸送道路」を中心に、県内21箇所、約23キロメートルの整備を進めることとしております。
このため、国の「無電柱化・推進計画事業・補助制度」を最大限活用した予算確保に努めるとともに、更なる事業の推進に努めて参ります。
また、災害時の電柱倒壊を防止するためには、「電柱を増やさない」ことが有効であることから、県内の国道、県道、市町村道における緊急輸送道路、約1,000キロメートルについて「電柱の新設」を禁止する措置を講じております。(松野 県土整備部長)
〈長池感想〉
「道路の無電柱化」でありますが、ご答弁であったように道路法の改定により、現在は緊急輸送道路には電柱を新設できないことになっております。であるならば、緊急輸送道路の電柱をなくすための計画と予算を付けるべきです。確かに無電柱化事業は莫大な事業費と時間がかかります。また四国電力やNTTなど電柱使用者さんの理解と費用負担を求めることになり、全国でもなかなか進んでおりません。しかしながら、地震による災害時には、避難や救援行動の大きな妨げになるのは、過去の事例からも明らかであり、無電柱化の推進は加速させるべきと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
防災士資格をより一層
取得しやすくするべき
⑥防災対策〈防災士資格の取得〉
〈長池質問〉
特に大規模災害時、重要となるのが「現場で実際に活動できる人材」であり、県においては、これまでも地域の防災リーダーとなる人材の育成に取り組まれております。とりわけ、多くの県民が、防災の基礎を学ぶことが出来る「防災士」の資格を取得し、被災現場や訓練などの体験を重ねることにより、それぞれの自信に繋がり、発災時の行動力の源になると私自身、確信しております。
これまでも私の周囲では、「防災士の資格取得に興味はあるけれども、講座の受講時間がとれない。」と言った声をよく聞いておりまして、県においてはこれまで以上に幅広い層の方々が、防災士の取得をはじめ各種防災講座を受講できるよう工夫すべきと考えます。
そこで能登半島地震を受け、県民が防災士資格をより一層取得しやすくなるよう、有効策を講じるべきと考えるが、ご所見を伺います。
〈答弁〉
この度の能登半島地震では、「自助」、「共助」の重要性を認識したところです。一方、「人口減少」や「高齢化」により、地域防災の担い手・確保が課題となっており、多くの皆様に防災を学んでいただく機会の創出や、若者をはじめ「多様な人材」の参画など、全世代型の「防災人材育成」を強力に推進する必要があります。
そこで、「防災の基本」を視聴できる「動画」を制作し、来月上旬、広く県民にユーチューブやケーブルテレビで公開するとともに、「防災教育」でも活用して参ります。また、来年度新たに、「高校生・大学生」を対象として、被災地に「訪問調査団」を派遣し、広く県民にレポートしてもらう「報告会」の開催、防災に関する「知識や技能」をチーム形式で競い合う「防災選手権・知事杯」の創設など、若者目線に立った「防災力発揮の場」を積極的に提供して参ります。これら「啓発や挑戦の場」は、「防災人材の証」の一つである「防災士」の資格取得の「大きなきっかけ」になるものと期待しております。
そこで、来年度の「防災士資格取得・短期講座」につきましては、従来の「4日」から「2日」に研修期間を短縮。後日の「フォローアップ講座」を新たに開設し、短期講座による資格取得者を対象に、実践や訓練の場を確保するなど、「魅力ある講座」としての改善を図って参ります。(平井 危機管理環境部長)
〈長池感想〉
「防災士の資格取得」の件ですが、短期講座の4日間が2日間になるようです。これは非常にありがたいです。質問の際にも言いましたが、現役世代には4日間の受講はハードルが高くて厳しいと言う声が多く届いておりました。これで少しでも多くの方に防災の意識を高めて頂き、地域防災力の強化に繋がればと思います。
県内では現在約6千人の防災士の資格者がいらっしゃるようですが、先ずは1万人を目標に取り組んで頂き、人口あたりの防災士の数が全国1位の徳島県を目指してもらいたいと思います。
これまでもそして今も地震災害で多くの尊い命が犠牲になっています。本当に悔しいです。そんな声なき声、無念の声を決して忘れてはならないと思うわけであります。
新ホールと車両基地移設・鉄道高架
知事の大胆な発想や言動が
いささか先行し過ぎ
⑦鉄道高架事業と県立新ホールについて
〈長池質問〉
我が会派は庄野県議の代表質問でも申し上げた通り、県市協調の新ホールとして協定が結ばれている以上、それを無視するかのような事業構想の発表や、事業が出来るかどうかの調査をするとして提出された補正予算に対し、反発をいたしました。
しかしながら議会内では「先ずは調査をするなら」という声が多く、新ホールにおいては2千600万円、車両基地移設・鉄道高架事業においては5千500万円の調査費が議会で承認されました。
その際、調査内容やスケジュールがあまり詳細には示されておりませんでしたので、2ヶ月が経過した今の時点での確認したいことを質問いたします。
事前にお聞きした事項として、車両基地の移設検討や鉄道高架の事業検証は、調査結果が明らかとなるのに、約9ヶ月かかるそうです。11月ごろです。一方で、新ホールの建設候補地を変更する調査は、6月に調査結果が出るとのことであります。
さてそこでですが、その6月の時点で、車両基地移設や鉄道高架が出来るかどうかがわからないのであれば、「藍場浜公園・西エリア」で新ホール建設を進めるとの判断は出来るはずがなく、次のステップに行くのかどうか、現計画に基づく事業者との協定をどうするのか、そして何より徳島市との協定をどうするのかが、また議論となるであろうと思われます。
そもそも今、県からは、「新ホール」と「鉄道高架」のそれぞれの調査でどのような結果が出れば、それをいつ、どのように判断するのかが示されていないのではないかと思います。
例えば、新ホールの建設地が藍場浜公園・西エリアで可能ですとなり、早々に変更したとしても、車両基地の移設と鉄道高架がコストや技術的な検討の結果、移設できないとなれば、旧文化センター跡地など現計画地が広大な「空き地」となってしまうのではないかと危惧されます。
逆もしかりで、新ホールが無理でも車両基地移設が可能となった場合、車両基地移設を優先するような判断をするのであれば、新ホールの建設予定地がまたもや振り出しに戻ってしまいます。永遠に出来ない感があります。
さらに何百億円もの規模になるであろう鉄道高架事業は、事業実現へのハードルも高く、「本当に出来るのか」といった県民の不安や疑念も払拭されてはおりません。
そこでお伺いいたします。「新ホール」と「車両基地移設・鉄道高架」について、いつ、どのように事業実施を判断するのか、具体的に伺います。
〈答弁〉
「新ホール」、「鉄道高架事業」についてのご質問でございますが、先の県議会11月定例会において、本県が目指す「県都のまちづくり」についてご論議をいただき、県民や県議会の皆様に「新ホールの施設規模や機能」、「車両基地移設」等に関する具体的な内容について、ご説明できるよう、現在、県におきまして、詳細調査と検証を進めているところです。
このような中、去る1月4日には、知事と徳島市長が面会し、徳島駅をはじめ中心市街地全体の魅力度アップに向け、ともに「県市協調を堅持」し、「未来志向でまちづくりを進める」とのビジョンが一致していることを改めて確認し、今後は、調査結果を双方で共有しながら、「新ホール」はもとより、「駅北口・北側開発」などを含め、より大きな視点で「県都のまちづくり」構想を進めることとしております。
このため、まずは、「新ホール整備」について、施設の規模や機能、土地状況について詳細な調査を行い、「次期6月定例会」において、新たな候補地である「藍場浜公園・西エリア」での具体的な「事業費」や「スケジュール」をお示ししたいと考えております。
その上で、「鉄道高架事業」については、車両基地が移設できるよう技術的検討を行うとともに、国の補助事業の採択要件となる「費用対効果」を検証し、今後、事業の実行可能性をお示し致します。
今後とも、調査結果など、事業に関連する情報を広く共有するとともに、スピード感を持って、徳島市をはじめ関係者と丁寧に協議を行って参ります。さらには、「県都のまちづくり」構想の効果は、徳島市のみにとどまらず、JR四国の在来線維持など、県下全域で、持続可能な地域づくりに資するものであり、若者はじめ「誰もが住みたい徳島県」の実現につなげて参ります。(村上 政策監補)
〈長池感想〉
6月定例会には、新ホール整備の具体的な事業費やスケジュールを出すとのご答弁でありました。
ご成婚広場に新ホール建設が可能かどうかの調査をしていると思っていたのですが、もはや建設予定地の変更は決まっているかのような答弁と感じましたが皆さんいかがでしたか。
新ホール建設にはこれまで多くの年月と費用をかけてきましたし、そして何より多くの人々が関わってきました。決して順風満帆といえるものではなく、紆余曲折を経て、ようやく落ち着いた感がしておりました。
がしかし、昨年4月に後藤田知事が就任して以降、接続する新駅の新設を取りやめ、県民の多くが望んでいた小ホール建設を中止し、県市協調をことごとくひっくり返してきました。そしてさらには突然、車両基地移設・鉄道高架を理由に、新ホール建設予定地の変更を打ち出したわけであります。知事、私はこれまで防災対策と次世代育成の2大テーマを中心に活動してまいりました。知事が公表した、災害対策本部の常設化や子ども未来部の創設は、素晴らしいことだと思いますし、大いに期待しております。
一方で、まちづくりやにぎわいづくりでは、知事の大胆な発想や言動がいささか先行し過ぎているようで、周囲を混乱させている感が見受けられます。「前例踏襲打破」、大いに結構です。私もそう思っています。
しかし前例と言うものにはこれまでの長い時間と多くの人々の知恵と労力がかかっているものでして、そこに対する敬意を忘れると、ただの壊し屋になってしまいます。このたびの新ホール移転と車両基地移設・鉄道高架事業は大事業でありますが、今はそこにかける莫大な費用と年月を、今そこにある危機、「命を守る」防災、そして「命を育む」こどもの育成に対して振り分けるべきと思います。
安心・安全な徳島づくりを知事と一緒になって追求していきたいと思っておりますので、少々いや事も言いますがよろしくお願いいたします。
新しい県政を創る会
「県民の未来に安心と希望をつくる」ことを基本方針とし、
個性的な5人が徳島県議会の第2会派として活動
私が所属する「新しい県政を創る会」は、令和2年3月に結成、現在、徳島県議会自由民主党に次ぐ徳島県議会の第2会派として活動しています。
会派の基本理念は「県民の未来に安心と希望をつくる」とし、基本方針としては「①持続可能な社会の構築を目指す。②既存の価値観や常識にとらわれず、新しい発想で課題に取り組む。③多様性を尊重する。
私を含む個性的な5人が、それぞれの考えを認め合い、尊重し、議案の採決に臨んでおり、態度が分かれることも少なくありませんが、お互い学ぶことも多く、とても気持ちよく活動させていただいています。そして、5人の政治や政策に対する想い、県政への評価、知事とは是々非々というのも不思議と似た者どうしが集まっているなと感じています。
県民のみなさまに身近で親しみやすい議会であることを目指して、不定期の You-Tube の配信を行っていますので、ご覧いただけたら嬉しいです。
ネクストドア徳島とは
「俺たちが頑張らなあかん」
そんな思いのある若手地方議員の集まりです。
昨今の政治不信や、それを表す選挙投票率の低さは、地方自治の根幹を揺るがす事態であり、
特に若者の政治離れは、将来の地域社会づくりの担い手という観点からも、危機的な状況と言えます。
そんな中、現状を打破すべきとの思いから、党派・会派にとらわれない県内の若手地方議員の会
「ネクストドア徳島」を発足させました。以来、議員力の向上や地域間連携になるよう、
勉強会や情報交換会を重ねてまいりました。さらに新しい試みとして、インターネットを
利用した政治討論番組「ネクストドアチャンネル」を、平成26年1月より毎月1回、
インターネットにて生放送をしております。過去の放送もいつでもご覧いただけますので、
ぜひどうぞ。